【ミニバス】マンツーマンコミッショナーという役割(4)

2022-02-07バスケ知識コミッショナー, ミニバス

こんばんは!

こちらでは、公式戦で置かれるマンツーマンコミッショナーという役割について、ミニバスの現場で起こった事象や、指導現場の声を交えて紹介させて頂いております。
このテーマの記事は、今回4回目が最後となります。

前回までのリンクは以下の通りです。

マンツーマンコミッショナーという役割(1)
マンツーマンコミッショナーという役割(2)
マンツーマンコミッショナーという役割(3)

マンツーマンの規則について詳しく知りたい方は、本家本元のJBAホームページを参照してください。
イラスト付きの分かりやすいパンフレットが掲載されています。
リンクは以下の通りです。

http://www.japanbasketball.jp/players_development

それでは、残りのチェック項目、No.7〜9について見て行きたいと思います。

No.7 オフボールの選手に対して、数的優位な守り方をしていない

オフボールとは、ボールを持っていないオフェンスプレーヤーのことです。
数的優位とは、1対1ではなく、1対2、1対3といったディフェンスの人数の方が多くなる守り方のことです。

もし相手チームに、1人だけズバ抜けて上手い選手がいたとしたら、ディフェンスを2人付けて封じ込めてしまえば、有利に戦えそうな気がしますよね。
二人がかりで絶対パスが入らないように守れば、得点力大幅ダウンです。
だから、こういう作戦は禁止されているのです。

前回説明したNo.5で、「オフボールの選手に対するトラップは禁止」と説明しました。
まさにこれですね。

このチェック項目、2021年スポ少大会では、2番目に指摘が多かった項目だそうです。
No.4「マッチアップエリア内のオンボールには 1.5m 以内を目安としてマッチアップしている」と、同票で2位でした。

ちょっと意外でしたね。
ただ、考えられるとすれば、やはりマークマンをしっかりと捉えられていないことが原因なのではないかと推測しています。

ディフェンスが始まったときは、しっかりナンバーコールを行っている。
ボールに目が奪われている間に、マークマンがいなくなる。
マークマンを見失ったまま、流れで近くにいる選手を守る形となる。

という状況ならば、何度も目撃しています。
これですかね。

No.8 オフボールのオフェンスのポジションチェンジに対し、スイッチしていない

オフボールの選手をディフェンスしているとき、特に理由が無いのにマークマンを変えてはいけないよ。ということを言っています。

スイッチが許されている場面は、スクリーンをかけられた時、トラップを仕掛けた後、ヘルプに行った後、と定義されています。
例えば、オフボールのオフェンス選手2人が、お互いの方向に向かって走って行き、コートの中間ですれ違う場面を想像してみて下さい。
2人のディフェンスも、マークマンに付いていくことになりますので、同じ場所ですれ違うはずです。

ここで、付いていくのではなく、マークマンを交代したとしたらどうでしょう。
途中まで付いていくが、マークマンを交代して、新しいマークマンに付いて戻っていくという動作となります。
こうなるとマンツーマンではなく、エリアを守っているゾーンディフェンスを変わらないように思えます。だから禁止なのだと思います。

自分のチームは、スクリーンされたとしても、よほどガッチリ引っかからない限り、頑張ってマークマンに付いていくよう決まりを設けています。
この時はスイッチ、この時はスイッチしないと条件を複雑にしてしまうのは、ちょっとうちの子供たちにはまだ早いかなぁと。

それよりなら、スクリーンをガッチリくらわないように、声を出して周りで教えてあげることにしています。
チームの決まりごと「大きな声を出す」に繋がりますし。
まずはこれが出来てからと考えています。
スイッチするにしても声の掛け合いは必須ですからね。

ちなみに、この項目は、2021年スポ少大会では指摘ゼロでした。

No.9 オフボールのディフェンスでは、マッチアップするプレイヤーを意識して移動している

以前説明した「No.2 ボールや相手と共に動いている」に似ているように思います。
No.2では、下図を用いて、ボールがトップからウィングに動いた例で説明しました。

ボールが動いているのに、ゴール下を守ったまま動かないのは違反。
緑チームがせっかく1対1で抜いてペイントエリアに入って来たとしても、ゴール下に待ち構えているディフェンスに捕まることになってしまいます。
オフェンス側が不利になってしまいます。

この項目No.9は、マッチアップする選手が動いた場合です。

青5番に注目して下さい。
自分のマークマン緑5番が、コーナーからウィングに上がって行きました。
青5番は、指差し確認は以前をして行っているものの、ポジションは変えていません。
これがNGです。

相変わらずゴール下に番人がいることになりますので、緑チームが不利となってしまいますね。
正しくは、青5番も緑5番に付いて動かなければなりません。

ちなみに、2021年スポ少大会では指摘はあったようですが、ランキング的には下から2番目。それほど多くは無かったようでした。

ミニバスで指摘が多い項目

マンツーマンコミッショナーの9つのチェック項目について説明して来ましたが、ミニバスの現場で特に指摘が多いものは以下の通りです。
順番は事象が多かった順番です。(あくまで青森県八戸市のミニバスでの話です。ご了承ください。)

No.6 ヘルプサイドのディフェンスがミドルラインをまたぎ越していない。
No.4 マッチアップエリア内のオンボールには 1.5m 以内を目安としてマッチアップしている
No.7 オフボールの選手に対して、数的優位な守り方をしていない。
No.1 マンツーマンディフェンスの意識がある。

9項目のうち、ミニバスで何を優先して練習すべきかが見えて来ますね。

私も始めの頃は、バカチョンに9項目を順番通りに子供たちに説明していました。
でもなかなか理解してもらえないんですよね。
似たような項目もあるし、大人が読んでも分かりづらい項目もありますし。

また、「旗を振られないように」という考えが先に来るとダメなんですよね。
あくまで「個々のスキルを向上させるためのマンツーマン」ですからね。
本来の目的をしっかり頭に入れて、今後も指導していこうと記事を書いて改めて感じました。

最後に

全4回に渡り、マンツーマンコミッショナーの役割について書いて来ました。

ミニバスの指導現場の様子を含めて発信することで、誰かの参考になればと思っています。
説明の中には、経験による憶測もだいぶ含まれていますので、JBAホームページに掲載されている各種資料を確認頂いた上で、現場の声として参考にして頂けたらと思います。

最後までお読み頂き、誠に感謝しております。
それではまた!