【ミニバス】マンツーマンコミッショナーという役割(3)

2022-02-07バスケ知識コミッショナー, ミニバス

こんばんは!

前回に引き続き、マンツーマンコミッショナーのチェック項目について詳しく見ていきたいと思います。
前回はNo.1〜3まで紹介しましたので、今回はNo.4からです。

No.4 マッチアップエリア内のオンボールには 1.5m 以内を目安としてマッチアップしている

マッチアップエリア付近からは、マッチアップを明確に示してマンツーマンディフェンスをしなければならないと、前回説明しました。
このチェック項目の「オンボールディフェンス」とは、ボールを持っている相手に対するディフェンスのことです。

自分がマッチアップしている相手がボールを持っているときには、「1.5m以内の距離でディフェンスしなさいね」という決まりがあります。
図で描くと以下の通り。

私のチームでは、オンボールディフェンスの距離を「ワンアーム」と呼んでいます。
腕一本分の距離という意味で、その通りにディフェンスすれば「1.5m以内」という基準はクリアできるはずです。

それでは、1.5mとは何の距離なのでしょう?

1.5mよりも距離を取ってディフェンスすると、1対1で抜かれることが少なくなりますよね。
オフェンスの動きに多少遅れたとしても、対応できるだけの距離がある訳ですから。

オフェンス側からすると、ディフェンスが遠いため、ロングシュートは簡単に打つことができます。しかし、確率が低い上に、ミニバスの場合には3ポイントがルール上ありませんのでメリットは小さいです。
そのため、ディフェンスが距離を取ると、オフェンス側に不利な状況となってしまいます。

マンツーマンディフェンスを推進する理由は、1対1を通じて個々のスキルを高めることでした。

1.5m以内という距離は、1対1の状況を作るためなのですね。
1.5mの近さならば、ディフェンスはシュートを止められます。
そして、オフェンス側はドリブルで勝負することもできます。
ちょうど良い距離なのです。

このチェック項目は、明確で分かりやすいと思います。
そのためか、ミニバスの現場では多く指摘される項目です。
2021年のスポ少大会では、2番目に多く旗が上がった項目とのことでした。

私のチームの子供たちも、距離を詰めてディフェンスするのはなかなか苦手です。
離した方が楽ですからね。

No.5 オンボールのトラップはよいがトラップが終息したら直ちにマッチアップを開始している

トラップとは、ダブルチームのことです。

もう少し詳しく書くと、複数のディフェンスが、ボールを奪える距離に近づいてディフェンスすること。
正式には「トラップディフェンス」と言うそうです。

オフボールのオフェンス(ボールを持っていない選手)に対するトラップは、U-15(小学・中学)では禁止されています。
オンボールのオフェンス(ボールを持っている選手)に対するトラップは、U-15はOK。
U-12(ミニバス)は、条件付きでOKです。

ミニバスでオンボールトラップができる条件は、以下の3つ定義されています。

①ドリブルが行われているとき、またはドリブルが終わったとき

②パスが空中にある間に移動できる距離で、パスを受けた瞬間にトラップを成立させることができるとき

③自分とボールをコントロールしているオフェンス側プレーヤーとの距離が約2~3mで、移動が容易にできるとき

JBA マンツーマンディフェンスの基準規則

はい。ちょっと難しいですね。
翻訳すると、
①ボールを持った選手が、ドリブルを始めるまではNG。ドリブルが始まったらOK。ドリブルが止まった後でもOK。
②パスを受けようとしている選手が、パスキャッチと同時にトラップすればOK。
③ボールを持ってる相手が近くて、すぐに自分のマークに戻ってこれるならOK。

チェック項目は、トラップを仕掛けた後の話。

相手が他の人にパスしてオンボールじゃなくなったり、ドリブルで抜かれてトラップに失敗した、トラップ状態じゃなくなったら即座に自分のマークマンに戻ってね。ということ。
トラップに行ったまま、マークマンそっちのけでディフェンスを続けることは、マンツーマンディフェンスじゃないですよ。ということです。

No.6 ヘルプサイドのディフェンスがミドルラインをまたぎ越していない。

下図の通り、コートの真ん中に架空の線があるとして、それを「ミドルライン」と呼びます。
そして、ボールが「ミドルライン」よりも右側にあるとします。
このとき、ボールがある右半分を「ボールサイド」。左半分を「ヘルプサイド」と呼びます。

このチェック項目は、ヘルプサイドのディフェンスは、ミドルラインを越えてディフェンスするのは違反ですよ。ということを言っています。

上図では、青4番がアウトです。

自分のマークマンを思いっきり離して、ミドルラインを越えてディフェンスしてますね。
よほど青3番が頼りないんですかね。

この項目が、2021年のスポ少大会では指摘が一番多かったとのことでした。
ミニバスの場合には、マークマンよりもボールに注意が向きがちなところがありますので注意が必要です。
まずは、マークマンをしっかり守る。次にヘルプ。と優先度を付けて指導するのが良いと思いました。

つづく

以上、今回はNo.4〜6について紹介しました。
残りのNo.7〜9はまた次回。
それではまた!