【ミニバス】マンツーマンコミッショナーという役割(2)

2022-02-07バスケ知識コミッショナー, ミニバス

こんばんは!

前回の記事では、ミニバスの公式戦で必要となる「マンツーマンコミッショナー」という役割について書きました。
育成年代(小学・中学)のバスケ指導では、マンツーマンディフェンスを行う決まりがありますが、公式戦でチェックを行う役割がマンツーマンコミッショナーでした。
何回かに渡り、マンツーマンコミッショナーの9つのチェック項目について、詳しく書いていきたいと思います。

マンツーマンコミッショナーのチェック項目

前回の記事で、マンツーマンコミッショナーが必要な背景、役割について紹介しました。

マンツーマンコミッショナーは下表に示す、9つのチェック項目に沿ってチェックを行います。
それぞれの項目について、私が経験したミニバスの現場と照らし合わせて、詳しく見ていきたいと思います。

項目No.内容
1マンツーマンディフェンスの意識がある。(声のサイン・手のサイン・アイコンタクト・ポジション等)
2ボールや相手と共に動いている。
3少なくとも、マッチアップエリア付近からはマンツーマンディフェンスを始めている。
4マッチアップエリア内のオンボールには 1.5m 以内を目安としてマッチアップしている
5オンボールのトラップはよいが、トラップが終息したら直ちにマッチアップを開始している。
6ヘルプサイドのディフェンスがミドルラインをまたぎ越していない。
7オフボールの選手に対して、数的優位な守り方をしていない。(U15 で予測に基づくプレーを除く)
8オフボールのオフェンスのポジションチェンジに対し、スイッチしていない。
9オフボールのディフェンスでは、マッチアップするプレーヤーを意識して移動している。
マンツーマンコミッショナー チェック項目

No.1 マンツーマンディフェンスの意識がある

マンツーマンディフェンスを推進しているのですから、当たり前の項目のように思えます。しかし、ミニバスの現場では意外にできていないことが多いです。
2021年度のスポ少大会では、指摘が多かった項目で4位にランクインしていました。

誰とマッチアップしているのか、マンツーマンディフェンスをしていても、自分だけが分かっているのではダメなのです。
声や手などを使って、明確にマークマンを捉えていることが、コミッショナーに伝わっていなければダメです。

ミニバスの現場では、経験の浅い新人戦で特に、自分が誰をマークマンしているのかすら分かっていないことが多々あります。
私の場合には、フロア上でディフェンスリーダーを決めて、強制的にナンバーコールをさせるようにしています。
ナンバーコールするときは、必ずマークマンを指差し確認。
それができなければ、マークマンが分かっていないということ。即タイムアウトです。

No.2 ボールや相手とともに動いている

声や手を使ってマッチアップを明確にしていたとしても、その場から全く動かなければNGです。
昨年末の大会で私のチームがコミッショナーを担当した時に、これで赤旗が上がりました。
(実際には、一緒に観戦していた協会の人に指摘されての赤旗でしたが。)

具体的には下図を見て頂くと分かりやすいと思います。

項目No.2の事例

左側の図の、青5番に注目してください。

自分のマークマンは緑5番です。
声と手でしっかりマッチアップを明確にしていました。
そして、緑1番がペイントエリアにアタックしてきた場合に備え、いつでもヘルプできるようなポジションを取り、定期的に視線を送っていました。
ここまでは、良いディフェンスだと思います。

ボールが緑1番から緑3番に移ったときでした。
青5番は、緑3に視線を変えましたが、ディフェンスのポジションを変えることはありませんでした。

これが、チェック項目No.2に違反していることになります。
ボールが動いているのに、ディフェンスは動いていませんから。

何がダメなのでしょう?
それは、ずっとゴール下のエリアを守っているからです。
エリアを守る。つまり、ゾーンディフェンスになってしまっています。

緑チームが1対1で競り勝って、ペイントエリアに侵入してきたとしても、ゴール下には常に青5番が立ちはだかっていることとなります。
緑チームに不利ですね。

私が見たケースでは、この守り方を何度か繰り返しており、相手側に不利だということで赤旗対象となりました。
マンツーマンコミッショナーは、違反行為を取り締まることが目的では無く、今回のように、両チームが平等に戦える環境を作ってあげる役割なのですね。

No.3 少なくともマッチアップエリア付近からはマンツーマンディフェンスを始めている

No.1のチェック項目の通り、マッチアップしていることを明確に示す必要があります。
どこからマッチアップを行うのか?については、マンツーマンの基準規則で「マッチアップエリア付近から」と定めらています。
マッチアップエリアとは、下図に示す通り「3ポイントラインの内側」です。

確かにチェック内容はシンプルで分かりやすいのですが、No.1の「マンツーマンディフェンスの意識がある」との違いが分かりにくいなと感じています。

マークマンを見失ったままマッチアップエリアに入った。
そんなミニバスでよくあるケースが該当しそうに思います。
でも、この状況では、そもそもマンツーマンの意識が無い状態とも言えますので、先にNo.1に引っかかるようにも思えます。

また、「マッチアップエリア付近から…」というこの決まりは、ハーフコートディフェンスの場合の話です。
オールコートでディフェンスを行う場合、マッチアップエリアの外ではありますが、マッチアップを明確にしなければなりません。
ゾーンプレスディフェンスが禁止されていますので、マークマンを明確にしてマンツーマンで守る必要があります。

そう考えると、このチェック項目に該当することは、あまり無いのでは?と考えてしまいます。まだ勉強不足なのかもしれません。
他の項目でも、ダメなのは分かるが、どのチェック項目に該当するのだろう?と迷うことが実際の現場では良くあります。
マンツーマンディフェンスの基準をしっかり理解して、対応することが重要ですね。

つづく

No.4以降は、次回につづく…
それではまた!