【ミニバス指導】練習計画 – スキル項目分解の必要性

バスケ指導コーチ, ミニバス

ミニバス指導における練習計画の作成について、今までコーチの立場で学んだ内容を記事にまとめてきました。
今回は、必要項目の体系図を作成するために追加した手順「項目を分解して関連を定義」について、なぜ必要なのか詳しく書いてみようと思います。

はじめに

ミニバス指導における練習計画の作成について書いてきた、今まで記事は以下の通りです。

【ミニバス指導】練習計画の大切さ
【ミニバス指導】練習計画を立てるための手順
【ミニバス指導】練習計画 – 選手に学んでほしい項目の列挙
【ミニバス指導】溢れる情報から最適なものを選択することがコーチの役割

今回は、手順をしてまとめた下図の赤点線箇所「項目を分解して関連を定義」について書きます。

「項目を分解して関連を定義」は、選手に学んでほしい項目を列挙するにあたり、「どのような粒度で洗い出せば良いのか?」その疑問を解消するために登場させた要素でした。
なぜ、スキル項目の分解が必要なのか?について、考えを今一度整理しておきます。

いつかやらないとダメだから

バスケットボール指導教本に紹介されている練習計画立案の手順では、下図のような洗い出し例が載っていました。

ここから1つ抜き出して「リバウンドからファストブレイク」。

チームにとって重要な項目だとは思いますが、ちょっと項目としてはざっくりし過ぎるのではと感じました。
「リバウンドからファストブレイク」をチームとして達成するまでには、多くのスキル習得が必要となるはずです。

長期→中期→週単位→日単位と具体化していく練習計画作成手順のどこかで、習得スキルの分解が必ず必要となると思いました。
いつか必要になるのなら、洗い出しの段階でやっておいた方が良い。との考えです。

細かいことは気にせず列挙できる

分解という手順があることで、洗い出しの段階で粒度を気にする必要がなくなる。というメリットがあると思います。

チームとして「ディフェンスリバウンドを死守したい」と思って挙げても良いです。
「そもそもまともにジャンプできないんだよ。今の子どもは!」って「リバウンドジャンプ」って超基礎的なスキルを挙げても良い訳です。

分解することで、最終的に「リバウンドジャンプ」という項目が複数出てきたら、重複を除去して1つにすれば良いだけです。

各年代で適切な粒度がある

指導教本に載っている練習計画を立てる手順は、高校バスケを例としています。

そのため、超基礎的なスキル項目は習得済みであることが前提であり、自ずと列挙する項目の粒度は大きくなるのだと思います。
高校になって「両足ストップ」とか「ストライドストップ」とか洗い出していたら、練習計画だけで日が暮れますよね。

ミニバスはミニバス、高校は高校、選手のレベル、ゴールが異なります。
それぞれの年代で適切な計画の立て方があるのだと思います。

ミニバスだからこそ項目の分解が必要

ミニバスの場合、ほとんどの子どもたちが、バスケットボールというスポーツを初めて経験することとなります。
スタートが全くの「ゼロ」です。
これが中学、高校といった他の年代と大きく違うところだと思います。

ゼロからスタートして、6年生の最後には、ある程度まともなバスケットができる状態になる訳ですから、それはもう急成長。
ドラクエだとしたら、レベルの上がりやすい序盤。
もしも、この時期に、はぐれメタルを倒すことに成功したら、レベルアップ音鳴りまくりです。

いくらレベルアップ音鳴りまくりでも、職業が「あそびにん」だったらもったいないですね。
この急成長の時期、何を習得させるかが非常に大事であり、コーチとしては責任重大だと思います。
「ゼロ」からある程度のバスケットになるまでの、スキル体系を定義する訳ですから、細かく分解が必要になることは当然だと思います。

中学以降へスムーズにつなぐために

項目の分解を行うことで、習得が必要な項目を把握することが可能となります。
しかし、洗い出したスキルを頭から全て習得していくには時間は足りません。
今はコロナ禍ですので、更に練習時間も制約されてしまっています。

習得スキルを明確にすることで、小学校でどこまで習得したのか?も明確にすることができると思います。
中学にバトンタッチするとき「ここまでやったから、あとはヨロシク!」って明確に言えるようになるはず。

小学校バスケの最大のミッションは、「将来につなぐこと」だと思っています。
小学校でいくら凄い選手でも、チームが強くても、中学行ってバスケを続けてくれなかったら意味がありません。

練習計画を立てることは、こういうところにも繋がってくると思いました。

おわりに

今回は「項目を分解して関連を定義」の前置きだけで終わってしまいました。
次回は、具体的な例を挙げて、実際に項目を分解していきたいと思います。

最後までお読み頂きありがとうございました。
それではまた!