【ミニバス練習】スクエアパス
今回はチームで行うパス練習の中から「スクエアパス」を取り上げます。
スクエアパスは、私の学生時代にもやっていましたし、今でも多くのチームで行っている超有名な練習だと思います。
長年やり続けられる練習って凄いですよね。
スクエアパスをミニバス指導現場で取り入れてみた感想、ポイント、注意点など紹介していきたいと思います。
概要
「スクエアパス」という名前が示す通り、四角形を描くようにパスを回すチーム練習です。
対面パスや三角パスなどパス練習は多くありますが、スクエアパスは、走りながらパスを行う特徴があり、より実践に近いパス練習を行うことができます。
手順
スクエアパスの動き方を以下に図解します。
実線は選手の動き、点線はボールの動きを表しています。
三角のシンボルは三角コーン、丸数字は選手を表します。
初めは、4つのグループに分かれて、四角形のコーナーに並びます。
緑のコーンは選手の待機位置を示します。
内側の青いコーンは選手の走る位置を示し、コーンの外側を走ります。
①の選手がボールを持った状態でスタート。
②の選手にパス。そのまま②の方向へ走り、②の選手からリターンパスをもらいます。
②からのパスをキャッチしたら、すぐに③にパスします。
これが選手の一連の流れです。
②の選手は、①へパスした後、③に向かって走ります。
③からパスをもらい、④にパスします。
③も同様に、反対側のコーンまで走る間に、④からパスを受けて⑤へパスを出します。
以降、この繰り返しです。
1人の選手の動きに着目すると、
緑コーンの待機位置で1回パスを受けてリターンパス。走りながらパスを受けてリターンパスを出す。
キャッチとパスを2回ずつ行うことになります。
ボール1個で行う場合の説明をしましたが、ボール2個で行うこともできます。
その場合には、対角線上に1つずつボールがある状態からスタートします。選手の動きは同じです。
ポイント
長く愛されている練習だけあり、多くのポイントが詰まっています。
私は、対面パスや三角パスで基本動作を習得させ、その次のレベルとしてスクエアパスを行っています。
止まった状態では出来ていたパスの動作も、動きながら行うとなると一筋縄では行きません。
まずは、動き始めのパスキャッチ。
こちらに向かって来る相手からのパスなので、怖がって後ろに下がってキャッチする子が初めは本当に多いです。
怖がらずに一歩踏み出してキャッチ!一歩目の勢いを利用して二歩目で強いパス!
これができるまでには、結構時間を要します。
パスを出す側も、相手は動いています。
対面パスでは真っ直ぐ相手の胸めがけて投げれば良かったのですが、それではうまくいきません。
相手の動きを予測して、少し前にパスを出す(リードパス)必要があります。
これも始めの段階では難しいんですよね。
まともに体めがけてパスしてしまいパスミス多発。
練習がスムーズに進まないことが多々あります。
パスを出す力の強弱、自分と相手の位置関係を瞬時に認識する能力など、複合的な運動神経が必要ですので、いきなり初めからできるものではありません。
普段ミニバスを見たことが無い人だと「そんなこともできないの!?」ってなります。
ですが、バスケを始めたばかりの子どもたちにとっては、それが当たり前。
ただ、できるようになるのもあっという間!
この成長スピードを間近で見られることが、ミニバス指導者の面白いところだと思います。
まだまだあります。
普段は体育館半分程度の広さで行いますが、使えるときには全面広く使って行っています。
当然パスの距離が長くなりますので簡単には届きません。
片手で投げたり、山なりのパスを出したり、変な工夫をし出しますが、届かなくても両手のチェストパスを徹底させています。
そうすることで、パスを出すために必要な筋力が付き、強いパスが出せるようになります。
他にもトラベリングにならないように注意させたり、キャッチボイスの声だったりと、細かいところまで挙げるとポイントは沢山あります。
注意点
ディフェンスを振り切るイメージが大切です。
パスを出してすぐにリターンパスをもらうスクエアパスの動作は、ミニバスの試合でよく遭遇する場面です。
普段から試合で使うことを意識して、ディフェンスを振り切るつもりで走る癖を付けることが重要です。
何も言わなければ、だらだら一定の速度で走りがち。
その対策として、先ほど紹介した図にある通り、内側にもコーンを置いています。
走る距離を長くすることで、一生懸命走らないとリターンパスに間に合わない微妙な距離に調整しています。
常にちょいムズになるよう、仕組み的にも工夫が必要です。
更なる効率化のために
パスミス多発でスムーズに回らない場合、ボールを2個でやっていたとしたら、思い切って1個に減らすものアリかと思います。
ボールが1個になると全員の注目がボールに集まりますので、適度が緊張感が生まれ、結果的にパスミスが減ることにつながります。
終了条件をパスが成功した回数にしてみたり、パスミスの数に応じて罰ゲームを行ったり。
うちの子たちは「失敗した数ダッシュするぞ!」って言うと、ほぼミスをしなくなります。
最初からやれよって。
指定回数連続で成功するまで終わらない。という条件も一時期やっていました。
精神面を鍛える意味でもとても良い練習なのですが、何回やっても本当に終わらないことが多々あります。
細かいルールはいろいろ工夫できると思います。
おわりに
今回はスクエアパスについて取り上げました。
長く愛されている練習には、やはり多くのポイントが詰まっていると感じました。
このポイントを、選手たちが全員がしっかりと理解して行うことが重要です。
コーチの立場としても、多くのポイントを常に頭に置き、いつでもアドバイスできるよう準備しておく必要があると改めて思いました。
この記事のように文章に書き出すことで、自分の中でも整理され、コーチとしての理解も深まる効果があると思いますので、今後も続けていこうと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
それではまた!