【ミニバス指導】練習計画の大切さ
今後は、ミニバス指導に関して学んだことについて「バスケ指導」のカテゴリにて情報発信を行っていきます。
今回は、練習計画の大切さというタイトルです。
前回記事で、コーチ就任当初に思い描いていた理想と、現実のギャップが、未だ埋まらないという反省点に触れました。
そのギャップの1つが練習計画です。
現在コロナの影響で、今までよりは勉強する時間が取れるようになりましたので、学んだことをここでアウトプットしていきます。
練習計画の必要性には気づいていたが…
ミニバスのコーチに就任してすぐ、チーム運営していく上で練習計画を立てることは必要不可欠であると考えていました。
必要な理由は以下の通り2つ。
チーム関係者全員で方向性を合わせるため
ミニバス指導者は、仕事しながらボランティアでやっている人が多いと思います。
私も普通にサラリーマンでしたので、平日の部活動なんか全くといって顔を出すことはできませんでした。
学校が夏休みや冬休みといった長期休暇に入ると最悪です。
サラリーマンは普通の平日。それなのに週末同様に日中3時間の体育館割り当てが続きます。
そのため、土日でしっかりと練習メニューを用意してポイントを伝え、子どもたち主体で活動できるようにしなければなりませんでした。
少しでも指導できる確率を上げるため、アシスタントコーチもいっぱい居ます。
コーチ陣全員で指導の方向性を合わせること。
そのために、練習計画を資料化して、関係者全員で共有することが大切であると考えていました。
ムダをなるべく排除するため
理由の2つ目は、なるべくムダなことをしないためです。
チームのスローガンはコーチ就任してすぐに決めました。
そのスローガンを達成のために、計画は必要だと考えていました。
長年、エンジニアとしてソフト開発を職としており、ソフト開発もチーム作りも同じだという考えから来ています。
品質は上流で作り込む
19年間、繰り返し上司から指導頂いてきた言葉。
品質の良いソフトを開発するためには、開発フェーズの上流こそが最重要という考えです。
もう少し簡単に説明すると、あるお客様からソフト開発の依頼があったとします。
開発の一番最初の仕事は、お客さんと打ち合わせして要望を聞き出し、ソフトの仕様を決めること。
決めた仕様に沿って設計して、設計内容に沿ってプログラミングして、テストして完成。
超ざっくりですが、「仕様決め→設計→プログラム製作→テスト」という流れで一般的にソフト開発は進みます。
ここで、開発の流れの最上流にあたる「仕様決め」で、お客さんとの認識のズレがあったとしたらどうでしょう?
お客さんはとにかく訛りが凄くて、開発者は言っていることの7割しか聞き取ることができなかったとします。
それでも「まあ、いっか!」って、ダメな開発者はソフトを完成させてしまいました。
いざ納品。お客様から一言「なんか思ってたんと違う…」
実は、強い訛りの中に重要な仕様が隠されていたのです。(例えばの話ですよ)
はい。仕様決めからやり直し。
仕様が変わるのだから、設計もやり直し。プログラムも作り直し。テストもやり直し。
私たちエンジニアが仕事すると、1時間当たりいくらってお金が発生します。それはもう大赤字。
作り直すので納期も間に合わない。お客さんからも会社からもめっちゃ怒られます。
怒られるだけならいいですけどね。
工場止まったり、生産が遅れたり、新商品が世に出なかったり、最悪日本経済にまで影響してしまったりして。
幸いそこまでの大失敗は今まで経験ありませんが、こういう業界でずっと生きて来ました。
だから、バスケにも同じことが言えると直感的に感じていました。
最上流は、チームのスローガン。
どういう特色を持ったチームにしたいのか、どういう選手になって欲しいのか。
そのために、いつ頃までにチーム・選手は、何を練習して何を習得するのか。
もしも、最上流である「スローガン」が今のチームに全く合わないものだったら?
最後の大会直前にそれに気付いたとしたら、もう目も当てられません。
何日も徹夜してバスケの練習したら、大会までに選手たちはレベルアップする?
ソフト開発のように、コストを犠牲にしたところで、プレイの品質は向上しません。
今までやってきた練習、活動そのものが、ムダに終わってしまうことになります。
そういう意味では、バスケはソフト開発よりも後戻りの損害が大きい気がします。
ソフトは10年、長くてもせいぜい20年間使われます。
現在小学生である選手たちは、この先30年、40年、50年。
バスケを好きになって、続けていくことになりますからね。
出来たことと出来なかったこと
計画を立てることの大切さ、自信の経験から分かってはいました。
計画をしっかりと立てて、チーム関係者で方向性を合わせる。
計画を見える形にしておくことで、もしも計画に無理があったり誤りがあれば、迅速に軌道修正を行うことができる。
練習計画を立案して、見えるようにしておくことで、このような良いことがあると思います。
そう思って、コーチになって真っ先に理想では頭の中にありました。
更に、計画を共有できるようなWebサービス作ったら、便利になるんじゃね?とか。
結構な理想を掲げていました。いつも理想は大きい人間です。
理想に対して、どこまでできたか…
・スローガンやチームの決まり事を決めて資料化。関係者で共有している。
・スローガン達成のため、習得して欲しいことを月間テーマとして掲げ、練習を強化した。
・日々の練習メニューを資料化して、関係者で共有して進めた。
理想に対して、できていなかったことは…
スローガン、月間テーマ、日々の練習メニュー、これら各要素の関連性が定義されていなかったということ。
練習計画に関する正解は?
前の記事でも書きましたが、1年半やってきたコーチ人生を振り返り、改めて学び直しを行っています。
勉強の中で、練習計画に関して正解が分かりました。
日本バスケットボール協会(JBA)が出している 「バスケットボール指導教本 上巻」7-1.練習計画の立案
この本に十分すぎる答えがしっかりと提示されていました。
学んだことを自分の言葉でまとめます。
練習計画の必要性
コーチは全てを選手に指導できるわけではないので、優先度を付けて計画的に指導を行う必要がある。
日本バスケットボール協会「バスケットボール指導教本 上巻」7-1.練習計画の立案
優先度付けはチーム、選手の能力に応じて行う必要があり、能力の分析を行って把握することが必要。
チーム目標と個人目標のバランスが大切であり、やる気を損なわないような適切な難易度設定が必要。
練習計画立案の手順
選手に取得して欲しい項目を列挙する。
日本バスケットボール協会「バスケットボール指導教本 上巻」7-1.練習計画の立案
列挙にあたっては、自らの経験だけでは不十分。広く情報収集が必要。
オフェンス、ディフェンス、精神面、人間性、身体面といった大きな項目から枝葉を広げて掘り下げて洗い出していく。教本ではマインドマップを利用。
洗い出した項目に、優先順位を付ける。
M(Must: 必ず)、S(Should: 次の段階)、C(Cloud: 時間があれば)で設定する。
練習計画表の作成
練習計画表は、長期計画、中期計画、1週間、1日の順で作成していく。
日本バスケットボール協会「バスケットボール指導教本 上巻」7-1.練習計画の立案
目標となる主要な大会を定め、一般的準備期、専門的準備期、試合期、移行期。に期を分ける。
自分自身のチーム運営では、練習計画表に相当するのは「1日」の部分しかありませんでした。
スローガンは定め、月単位で取り組むテーマは一応決めていましたが、「いつまでになにを習得するのか」という時系列の計画がありませんでした。
長期、中期、1週間、1日、さらに習得して欲しい項目リストに優先度設定。
思っていたよりも、作らなければならない計画が多かったです。
今後について
他にも私が愛読している「バスケットボールの教科書 鈴木良和著」の4巻にも、練習計画に関連する記載がありました。
練習メニューを計画するにあたって、練習をどのような順番にすべきか?といった具体的手法がたくさん紹介されています。
この辺の勉強の成果はまた後日。
勉強するたびに思うこと。自分はコーチとしてまだまだだなぁと。
やること本当にいっぱいありますよ!大変な仕事ですよコーチは。
JBA指導教本にもコーチの大変っぷりが記されています。
これらの作業は特に初めて練習計画作成に取りかかるコーチにとって大変な労力を要する。
日本バスケットボール協会「バスケットボール指導教本 上巻」7-1.練習計画の立案
しかし、この計画を立てること自体が、選手やチームの状況をより把握することにつながり、現場での指導に生かせる作業になる。
加えて、自らの知識量の増大、指導力向上に多いに役立つことになる。
本当に仰る通りですね。
大変なのは当然ですが、それをやるのがコーチの役割。
今の時代、情報が溢れかえっていますよね。
ググればどんな練習メニューでも出てきます。
YouTubeで出てきた練習が良さそうだからやらせてみる。
他のチームでやってた練習が良さそうだからやらせてみる。
誰でもバスケを知らなくても、ググった練習を並べれば、それなりの部活動になります。
でもそれだけだとダメと言うことです。
その練習をやることが、今のチームや選手の能力にとって最適なのか?目標達成できるのか?
この視点が抜けている訳ですから、そんなの誰でもできますよね。
真のコーチは、
目標達成のための計画と、正しく分析されたチーム・選手の現時点の能力に合わせて、膨大にある情報から最適なモノを選択できる人。
だと思います。
コーチとしてやっていく以上、計画立案、チーム・選手の分析は、必須であることを改めて実感しました。
今後、足りない計画を具体的に作っていきます。
その状況についてもまた紹介していきたいと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。